「あっち…行って………。」

海翔は聞き入れようとしない。



「言ってる場合じゃないだろ。帰るぞ。」


隼人が海翔の腕を持ち上げようとしたが海翔は拒んだ。


「おいおい。いても仕方ないだろ。」


フゥとため息1つこぼす隼人。


「梅田さん。帰りましょう?ね?」


見かねた沙弥がしゃがんで海翔の顔を覗き込む。


「う…ん。」


小さく頷いて沙弥はホッとした。


「………やけに素直だな。」


方眉を吊り上げて呟く隼人。


「ハハッ。気に入ってるんだから仕方ないさ。」


呆れ顔で隼人に耳打ちする勇一。