“執事さんみたいな服装の男性”は母さんに軽く一礼して
「では、又帰りにお迎えに参ります。」
そう言ってリムジンに乗って走り去っていった。
「「……………。」」
「ねぇ、母さん?」
「うん?」
リムジンが去っていった方をじっと見ながら母さんが返事した。
「あのさ、あの人誰なの?」
隆兄も気になっていたみたいで………あたしと隆兄は母さんをじっと見た。
「ああ、“セバスチャン”よ。」
「は?」
「はい?」
本気とも、嘘とも、よくわからない返事をされた。
「「……………。」」
あたしのクラスにも、執事はみんな“セバスチャン”だと思っている子がいた。
けど……
まさかかあさんも?
って、まさかね……。


