着いたホテルは
ランチバイキングが有名なホテルだった。
スゴく美味しくて、特に一流のパティシエが作るケーキがほっぺがとろけるぐらいの美味しさです♪と
この間読んだ雑誌に載っていた。
爽くんがいたら、目の色変わってるだろうな。
そんなこと考えてニマッとしていたら、
「だらしない!ピシッとしなさいよ?」
って、母さんに叩(ハタ)かれた。
ポロッと落ちた牡丹の髪飾りに、慌てた母さんが「ゴメンゴメン」と言っていた。
何だか和やかだった。
うまく、隆兄をお見合いへ連れ出せて、母さんが上機嫌だったから。
やっぱり、母さんに主導権を握られているんだなぁ。
だから、父さんの影が薄いんだ。
家って………。


