リムジンに乗り込む時、ドアに手をかけている、“執事さんみたいな服装の男性”はあたしを見て、ニッコリ笑った。 「…ホントに、お嬢様の幼い頃にそっくりだ。」 ポツリとそう言った。 小さい声だったから、ほんとにそう言ってたの?って聞かれたら、─たぶん。としか答えられないけど………。 そういえば! あの、母さんの罵声に 微動だにせず、笑顔も崩れなかった。 ─凄い人だ。 娘の、あたしですら… 震え上がるのに……。 何者なんだろう? この人…………。 ────☆