草履を履いて、外に出ると── 「「なぬ!?」」 隆兄と二人で固まった。 目の前の車に乗り込み、ドアを開けたまま手を振る母さん。 の、横には… 執事?みたいな服装の男性が一人。 「ちょ、り、隆兄?あれ誰?」 「知らねー……。」 「「……………。」」 それにもまして、驚きを隠せないのは── 車がね…… 尋常じゃ無い。 なに、これ? 「り、隆兄、あたし初めて見た。」 「そっか……俺は乗るの初めて。」 目の前に停まってる車は 黒塗りのリムジンだった。