「隆兄…これも、兄弟のためなんだ。堪えてくれ!」 静君がベッドから、隆兄を引きずり出し背中から、羽交い締めにした。 母さんはその様子を満足げに見つめると、残ったあたしと爽くんに向かってボソッと呟いた。 「…アルション…閉店。」 「「!!!!!」」 「隆兄!堪えてくれッ!!」 「隆兄!ごめんッ!!」 あたしたちは右左に別れると隆兄の足を掴んで動きを封じた。 「アッハッハッハッ!!ざまぁないわね?隆くん。さ、覚悟おしっ!!」 ……………。 …鬼の高らかな笑い声が響いた。