「檸檬…?」
ハッ!!
耳元で聞こえた隆兄の声にあたしは我に返った。
「檸檬…そんな心配そうな顔をするな…大丈夫だから。」
…なにが?
「大丈夫だから。」
いや、あたしはね…心臓がね…
「分かってる。檸檬のことは。」
いや、分かってないんじゃないかなぁ?
「心配するな!俺は、どんな事があっても、檸檬の兄だからな?」
いやいや、だからさ、毛がね……
「それに、檸檬以外の女と暮らすコトなんて─考えたコトも無いよ?」
………………。
「「「「「…………。」」」」」
隆兄。
退いたよ?今、すごーく退いたよ…
みんなも退いていた。すごーく。
そんな中、お姉ちゃんが──
「ま、あたしは女だし、ずっとここに居るからさ、檸檬とも一生の付き合いだよね♪」
と、にっこり微笑むお姉ちゃん。
…今、ウインクされましたよ……あたし。


