「……。」
「……。」
無言の車内。
はっきり言って、息苦しい。
隆兄なら、あしらい方も簡単。
ちょっと可愛くて甘えてみればイチコロ。
面白いように思った通りにことが進む。
だけどね
静くんは違う。
いまいち扱い方が分からない。
手玉になんてしようとしたら最後
どんなしっぺ返しが待ち受けているか……
考えただけでも恐ろしい。
『カエル御殿』
その一言から、全く会話は無い。
重苦しい。
息苦しい。
いったいどこに向かっているのか?
腕時計に目を落とすと
6時を指していた。
!?
晩ご飯!
どうするんだ!?
あたしが目を見開いて隣の静くんを振り向くと同時に
「あいつ等は晩飯寿司頼んであるから。」
静くんが言った。
………。
お前の考えていることなんてお見通しだからな?
って…ニヤリと笑っている。
……。
ホントに扱いにくい。
と言うか、あたしには一生無理だな。
やっぱり静くんは分からない。


