「「檸檬ちゃんッ!!」」

ハモった者同士でバチッバチッと火花が散った。

「「俺たち、どっちが変態?」」


「は?」


いつの間にか、論点がズレたみたいで─いきなり尋ねられて面食らった。

「「ねぇ、どっち?」」


「……どっちでもいいんじゃない?」


ホントに、どっちでもいい。


「無意味な争いです。」

「「………。」」


ピシャリと言い切ったあたしのセリフに、唖然として顔の二人。


「「檸檬ちゃん……。」」

情け無い声でにじりよる二人に


慌てて部屋を飛び出した。


後ろから、“お前のせいだ!”“舐めていい?なんて聞くのが悪い!”って言い合う声がして


なんかイライラしてきた。


ハッ!!


─そうだ!!トンカツ!

こんな時は、肉たたきで叩きまくるに限る!


頭に、突然浮かんだ夕飯のメニューに血が騒いだ!


「おしっ!!叩いて叩いて叩きまくるぞー!!」

拳を握りしめて、校門を出ようとしたその時──









「ばーか?なにが?“叩きまくるぞー!!”だ?」


意地悪っぽく笑う声がした。