「カイラはホントにアドニスなんだ…見た目だけじゃなく内面も。」
─……内面がアドニス?意味わかんないよ…。
「ね、檸檬ちゃんもそう思わない?─カイラのコト“王子様”とか思っちゃうでしょ?」
うっ!?
た、確かに思った。
二ノ宮くんのあの笑顔、あれは王子様なんだもん。
でもここで“はい思います”って返事をしたら、あたしは無事にこの部屋を出れない気がする。
「……。」
なんて言っていいのか分からなくて黙ったままでいたら、
ガシッッ!!
─えっ?
いきなり腕を掴まれた。
「あ……。」
!?信じられない。
自分の口から、洩れた吐息のような声に顔が一気に熱くなった。


