─二ノ宮くん。 頭に又ぐるぐる巡り出す“僕のアドニス”の声とあの姿。 「須具利さん。気持ち悪いよ。」 えっ? 前の席の腐女子吉田さんに声をかけられた。 「なんか、にやけてるよ…変なの。」 !?にやけてる!? 綺麗な男子の絵が表紙の同人誌を持って吉田さんが呟く。 ─あたし、にやけてたんだ……ちょ、あたしってば…!? 頬に手を当てて、自分を諫めるようにぱちぱちと叩いた。 ─なに考えてんのよ!あたし! うううーー…。