部屋を出て、母さんの後ろを歩いた。
「お、お待ち下さいッ!!毬様ッ!!」
後ろから、慌てた声の支配人さんが走って来た。
「…あー?」
振り返った母さんの一言に、後ろで立ち止まってしまった支配人さん。
その場にへなへなと、へたり込んだ。
「あ、あ、ま、毬様…………毬ちゃん……。」
「「へ?毬ちゃんって……?」」
隆兄と二人、思わずそう言って、固まった。
「武生(タケオ)………。」
「ま、毬ちゃんッ!」
すがりつくような視線で母さんを見つめる支配人さん(武生)。
「「……………。」」
ぼーぜんと立ち尽くす隆兄とあたし。
「武生、…このオトシマエハ、後できっちり払ってもらうからな?」
支配人さんに見下すような視線を送って、振り返って、エレベーターに向かって歩いていく母さん。
「………。」
無言でうなだれて、
「…おしまいだ…。」
ポツリと呟いた支配人武生さん。
……………。
本当に、母さんは何者なの?
隆兄と顔を見合わせて、首を傾げた。


