びびるあたしの横で、ワナワナとふるえながら母さんは、バッグの中から携帯を取り出してどこかへ………かけた。
プルルルルル──。
……………。
…………。
「もぉしもぉしッ!!」
だ、誰にかけているのかわからないけれど……母さんのドスの利いた声にあたしは震えあがった。
─ひぃぃぃぃぃ!!
あたしのビビりなんてお構いなしに、詰め寄るように、話をしている。
隆兄も、母さんの声に我に返ったようで…ジッと母さんを見つめていた。
「ちょ、だから、どうなってんのよ?…あ?─お嬢なのはわかってるわよ?………肝心な所がおかしいわよね?…………は?…………美人揃いって………」
あ、ヤバい。母さんキレそう。
隆兄と二人、野生の感が働いて咄嗟に避難しようとして、立ち上がったら、ギロリと睨まれて、又椅子に腰掛けた。
「「………………」」
万事休す。
「いくら、魚好きだからって………これはひどいわよ?…え?そんなはずないって…………」
「……ヤバい!噴火するぞ!?」
ぽつりと隆兄が呟いた瞬間──。
「………魚は魚だから、可愛げがあるの!───……魚顔の女ばっかり集めてどーすんのよ?!」
水族館の方が、はるかに可愛げがあるわよ!
言っちゃった。
母さんの言葉に、ざわつく30人のセレブリティたち。


