キミと青空の下で






「でもあたしには、"お前"とか"鈴丘"だよね?愛美には"ちゃん"付けなのに…」




少しいじけて視線を地面に落とすと、隆起くんはあたしの顔を上げる。




「じゃぁ鈴ちゃんって?」




意地悪な笑みを浮かばせる。




「やだよっ、それ子供の時のあだ名だもん」




「そっちだってそうじゃん?たまに"隆起くん"って呼ぶけど、それも幼稚園の頃のあだ名だろ?」




そ、そうだけど……隆起くんは隆起くんだから他で呼ぶつもりはない。




するとギュッと抱きしめられて、あたしの首元に隆起くんの頭が乗せられる。




心臓が死にそうだ…っ。




意地悪だけど優しくて、素直な隆起くんは不器用だけど強いんだ。




「あたし、今すごく幸せだよ」




「俺も…」




「隆起くんは隆起くんだからね?」




「じゃぁ俺は……」