泣き止んだ時には既に辺りはさっきよりも暗くなっている。




それなのに森永くんは最後まで励ましをくれていた。




「森永くんっ…ありがとぉ…っ」




泣きすぎたせいでしゃっくりが止まらなくて、必死でお礼を言うと安心した表情で微笑んだ森永くん。




「いいよ、泣き止んでくれて良かった…とりあえず保健室で氷もらわない?目が腫れてて辛いでしょ?」




その言葉であたしは森永くんに保健室まで案内された。




着いた時に『俺は帰るから…送れなくてごめんな、また明日』と言って帰ってしまった。




ガラッ




静かに保健室のドアを開けると、男子と喋っている先生があたしに気づいた。




「どうしたの?!とりあえず話聞くし、氷持ってくるわね!」




先生は即座にイスから立ち上がって、小さな冷蔵庫の中から氷を出してタオルで包む。




男子は興味津々であたしの方を見るから、泣き顔を見られたくなくて目を逸らした。




きっと後輩かな?…




「こらぁっ!ここからはレディー限定なんだから、男子は帰ってー!」