逃げたって何も変わらないのに。




だけど今のあたしは、ガラスみたいな些細な事で壊れちゃうくらい弱い心なんだ。




「うぅ……うゎぁぁんっ…!!!」




学校の廊下のど真ん中なのに、あたしは叫ぶように泣いた。




まるで誰かに助けを求めてるみたいに必死で泣く自分…




すると遠くから足音が聞こえて、思わず振り返った。




「…森永くん」




何期待してんだろう、あたし…隆起くんが追いかけてくれたのかと思っちゃった。




優しい森永くんだけど正直期待外れだと思ってしまった。




森永くんはあたしが泣いてる事に気づき、走って駆け寄ってきた。




「どうした?何で泣いて…」




そして雨でびしょびしょに濡れている事も、あたしの背中に触れた瞬間気づいた森永くん。




とても喋る余裕なんてなくて、ただただあたしは泣く事しか出来なかった。