「何だよー、Wデートしたいって言うのかよ?」
帰り道、いつもの交差点で青信号を待っていると、あたしの機嫌に気づいたらしい。
別に不機嫌ではないけど、Wデートは一つの夢でもあったんだよね。
きっと楽しそうだし、勿論二人でデートって言うのもいいけど…
「だってー…してみたいって思う…」
「亜衣ちゃんが好きになったのが、何で海斗なのか分かんねーんだよ」
海斗くんを好きになった理由…
あたしもいまいち亜衣に聞かされてはないけど、海斗くんの良い要素はいっぱい持ってると思う。
隆起くんだってこんなにモテモテなんだから、絶対海斗くんだってモテるはずだよね?
色々考えていると、急に隆起くんはあたしの顔を覗きこんだ。
「ボーッとしすぎ。青だぞ?」
そう言って隆起くんは自然にあたしの手をとった。
街中で手を繋ぐなんて恥ずかしくて、だけど拒めない。
今は隆起くんの思い通りなんだ。
