たとえ隆起くんが思い出したとしても、何も起こらない。
「ねぇ、そろそろ帰ろっかぁ?」
制服のポケットから携帯を覗くと、時間は既に11時を回っていた。
時間が経つのは早いなぁ…
今頃、亜衣達は仲良くデートでもしてるのかな?
亜衣は海斗くんの事本気なのかは分らないんだけど…
もし本気なら、協力してあげたいなぁ。
「おい」
「へ?」
バス停に戻ろうと、歩いている時、また隆起くんに呼び止められた。
「何その間抜けな返事…」
「うるさいなぁっ!いきなり呼ぶからでしょ?」
あたしはフンとそっぽを向いて、足を踏み出す。
これからどうしよう…早退したとか言って家に帰ろうかな。
