~実見~

授業終了後。
あたしはまあさちゃんの席に走った。
「まっまあさちゃん!」
「あ、実見ちゃん。
どうしたの?」
「さっき・・・ありがとう。
日芽花たちから守ってくれたんだよね・・・」
あたしがお礼を言うと、まあさちゃんはにっこり笑った。
・・・なんていい人なんだろう。
優しくて頭も良くてそのうえ美人で・・・。
何ひとつ悪いところがない彼女がうらやましい。

放課後。あたしとまあさちゃんは葵の家に向かった。
「実見!と・・・
えっと・・・伊東さん・・・」
葵はあたしたちが来てびっくりしてる。
それと・・・
まあさちゃんとは、初めて話すよね。
「熱・・・大丈夫?」
まあさちゃんが話を切り出した。
「はっはい。
37度5分まで下がりましたから・・・」
「あ、敬語使わないでいーよ。
まあさって呼んでね!」
「え、あ、はい・・・
まあさちゃん・・・」
「葵、寝てなきゃだめだよ!
1人でしょ?お母さんたち今いないんでしょ?」
「う、うん」
「寝よ寝よ!」
あたしは葵をむりやりベッドに寝かせた。
「やっぱり、ベッドのほうが楽だね。
ありがと実見、まあさちゃん」
「いやいや。
じゃあたしたちは帰るね」
「お大事にね、葵ちゃん。
また明日もお見舞い来るね」
「うん、ありがとう」
そう言って葵と別れた。