「そんなにいいもんじゃないと思うけど?」
「ううん。だって、マンガでもドラマでもコンパから始まる恋って、よくあるでしょ?」
そう言うあたしに、エミは
「そーいうもん?」
と呆れたように息をついてカバンからノートを取り出した。
「てか・・・・まつりがコンパに行くこと、ジョーは知ってんの?」
「はっ?なんであんな奴にそんなこと言わなきゃいけないのよっ」
「ん?なんとなく・・・・」
ま、どうでもいいけどね、とつぶやいてエミが教えてくれたお店の名前は雑誌で憧れてたおしゃれなレストラン!
そっか~~・・・オトナはこういうとこで「コンパ」するんだ~~。
「とりあえず、今日6時に開始だから」
そう言ってエミはちらっ、と後ろで友達とはしゃぐジョーを見てから一言付け足した。
「行きたくなくなったら早めに言ってね」
「はぁ~~っ??んなわけないしっ。絶対行くっ!」
てか、ジョーがなんだってのよ。
祭りバカなんて関係ないしっ。
あたしは今日きっと恋をするんだから。
それはきっととっておきの、オトナな恋なんだから。

