「まつりちゃん…」 ふいに出された彼の声にあたしの体はびくっ、と一瞬揺れた。 「ごめんね…」 離れた体の間に、すうっ、と風が通る。 あたしは何をあやまられてるのか、 何を言えばいいのか全然わからずにただ、頭をブンブンと横にふってみせた。 「あせっちゃったね、俺。かっこわるいな」 「?」 恥ずかしそうに手で口を覆った恭二は一旦うつむいて大きく息を吐き出した。 そしてあたしを見つめる。 「よければ…僕と付き合ってくだサイ」