「おいっ、まつりっ!・・・・」



叫んだジョーの声を背中に、車は少しずつ加速をあげていく。



バックミラーを見ながら恭二は「いいの?」って聞いたけど、



あたしは後ろも見ずにただ、うん、って頷いたんだ。



「ごめんなさい・・・・・いきなりだったね」



「ハハ・・・いいよ。元々まつりちゃんがいないかなぁ、って思ってたから」



ドキンッ



それは、ただの社交辞令なのかもしれない。


私の負担を軽くしようとしてくれてる言葉なのかもしれない。


だけど、あたしの胸の鼓動を早くするのには充分すぎるくらいで。