おまつりBoyと夢みるGirl


うん。


やっぱり気のせいだ。


と、心の中でほっとした瞬間。



前をむいたままつぶやいたジョーの声に、トクン、と胸が跳ねた。




「電話…昨日のオトコ?」



トクン、トクン……。



その時のあたしは、さっきまでの高鳴りとまたちがう胸の鼓動にまだ気がついてなかったんだ。


微妙に感じた違和感を振り払うように、あたしもまた前をむいたまま静かに答えた。



「うん…そうだよ」