「気持ちわりーよ」 「い、いいじゃん!」 あわててケータイをカバンに入れるあたしを、ジョーはため息をついて見つめる。 「ま、おかしいのは前からだけどな」 「ちょ、ひどいっ」 アハハ、と笑ってみせるジョーは、いつも通りだ。 さっき、怒ってたように見えたのは、気のせい、だったのかな? 「あのさ・・・・昨日、ありがとう、ってママが言ってた。パパがすごく助かったって」 「いいよ。別に」 ふ〜、と吐き出されたジョーの白い息がやわらかく散った。