一瞬見えた彼のつま先に。 あたしは、どうしても臆病で、思わず目を閉じて息を吐いた。 だけど、その瞬間、 「すげー・・・」 頭の上であいつの声がはじけたから、あたしは息を吸い込みながらつられて上を見上げた。 その視線の先で、ジョーは少し首をすくめながら真っ黒の空から落ちてくる雪をながめている。 ふわふわ、ふわふわ・・・ それは止まることなく降りてきて。 ジョーにも、あたしにも静かに とどまることなく降り積もってゆく。