恭二はきょろきょろと店の中をみわたしてから、サトシさんに軽く手をあげた。
そして、あたしにも少し笑って見せた。
ドキドキとか、どうしようとか、思う前にあたしはどうしても恭二のそばに立つふわふわの彼女から目が離せない。
頭の中、ハテナだらけだよ。
だって、彼女は今ごろジョーといるはず、でしょ?
なんで恭二といるの?
なんで、ここにいるの?
ジョーは、どうしたの?
床に目をおとしたあたしの視線の先に、大きな足が止まった。
「まつりちゃん」
「恭二・・・・」
見上げた先に、さっき見たのと同じ、優しい笑顔があった。

