つぶやくと、ぼんやりと白い息が浮かんですぐに消えた。



願ってた世界は、思った以上にリアルで。



あたしは戸惑いながら、ジョーのことを想った。


苦しいのに、頭の中から消えてくれないのはそのことだけ。



「会いたいよー…」



唇からもうひとつ白い塊が、ゆらりと揺れながら、今度は空に溶けた。