……
「なにあれ……気にしなくていいよ、まつり」
遠ざかる彼女の背中に、固まるあたしにエミがぽんと肩をたたいた。
ううん。
彼女の、言う通りなんだ。
今朝も……朝から職員室にジョーが呼ばれてたこと、あたしは知ってる。
「寝過ごしました~~っ!」
なんて1時限目の授業の始まり、ジョーはおどけたように笑いながら入ってきたけど、本当はそんなんじゃないんだ。
……彼女の言った通り、あたしは……あたしは、ジョーの邪魔をしてるだけなのかな。
「まつり……」
「エミ、ごめん……けど、あの子の言うとおりだよ。ジョーがあたしにしてくれるように、あたしはジョーに何もしてあげてない。何もしらないで……邪魔ばかり…それすら気がつかなかったんだ」
「……」

