「昨日のは、まつりが悪いんじゃないんだけど」 エミのむっ、とした口調に、彼女はほんの少し笑みを浮かべた。 「父に聞いたんです。ジョー先輩の入学が危ないかもしれない、って」 「え?」 「は?」 エミとあたしの声が重なる。 思わず顔を見合わせたあたしたちの前で、彼女はふわりとベンチに腰をかけた。 「私の父はN大の副学長してるんです」 N大……サトシさんや恭二の大学。 ジョーが来年春から行く予定の…ガッコウだ。