あたしと視線があうと、彼女は嬉しそうににこっ、と笑った。 ズキンっ! 昨日の夜の光景がよみがえると、刺すような痛みが胸を襲う。 「今、教室に行ったんです。まつりさんいないから、探しちゃいました」 「え?」 あたしを探しに? ジョーじゃなくて? 「今、いいですか?」 そういうと彼女はそのふわふわの髪の毛をさらりと揺らせて軽くエミに会釈をした。 本当…アメ細工みたいな、きれいな茶色…。 「昨日……聞きました。ジョー先輩から」 「……?」 「…大学で、事件があったって」 「あ……」