ぼんやりしたまま、終わりのチャイム。
白紙のテストが回収されて、ようやくそのことに気がついたくらいだもん。
「お前なにやってんだよ。バーカ」
ポコンとはじかれた頭に、瞬間に心臓が集まるみたい。
「・・・ぅっさいな・・・」
思わず声が裏返りそうになる。
「?」
不思議そうにあたしを覗きこもうとするジョーの瞳から、ようやく逃れると、顔が赤くなるのを抑えるためにとっさに頬づえをついた。
「おい、エミ。どうしちゃったの?こいつ」
「さぁ~~?」
なんて頭の上で交わされる会話は、本当にいつもと同じなのに。
変わっちゃったのは・・・あたしだね。
どうしても、いつものように・・・できない。

