恭二が座る運転席の隣で、あたしはなぜか曖昧に笑って見せた。 空気が重く沈みこんでいくみたいで、そうするしかなかったんだ。 「まつりちゃん、今日・・・・・」 「今日ね、サトシさんに連れてってもらったんだ。大学、すごいね~。広いし、皆オトナに見えるし・・・うん・・・」 「・・・・・」 うん。 年がそんなに違わないはずなのに、全然別世界みたいに見えたんだ。 「それに・・・感動した」 「・・・・感動?」 恭二があたしを驚いたように見たのがわかったけど、あたしは自分のひざを見たままつぶやいた。