エースナンバー







ズーン…




「ねぇ、そんなに落ち込むことないと思うよ?
美空先輩の本気の球は空木先輩ですら打てないんだから」



部活後…

俺は部室の隅で丸まっていた。


「ほっときなよ、千那…あんまりちょっかい出すと、噛みつかれちゃうよ?」


…誰が噛みつくかよ…

人を猛獣みたいに言うなっつーの


「落ち込んでるとこ悪いけどさ…はい、これ」


「なんだよ…これ?」

俺は、上杉に渡されたほうきとちり取りを見て眉をひそめた。




「部室から出て向こう側にあるシャワー室の掃除道具。初仕事だね」


「…は?
なんで俺が…」


「来たときよりも綺麗に…これお決まりでしょ?」



クスクスと、えー…
双子のどっちかが笑う。





「嫌だよ、そんなの補欠の仕事だろ」


キッと上杉を睨みつけた。



「あのな…お前がどんな高校にいたか知らないけど、うちの学校は補欠もレギュラーも関係ねぇの。
みんなで綺麗にすんだよ…
それとも、一人でグラウンド整備するか?」


「……ちっ」


俺は軽く舌打ちして、上杉からほうきとちり取りを奪い取った。