「関係ねぇよ…今も昔も…キャッチャーはピッチャーの球を取るためだけにいるんだろ?」
俺の言葉に、ピクリと男の眉が動いた。
「なぁ、上杉…こいつ、殺っていい?」
「は?!ダメだぞ!
お前、せっかく謹慎とけたんだから!」
上杉が男のプロテクターを掴む。
「そうだよ、椎葉…絶対にダメ」
「…美空」
美空は、まっすぐ俺を見ていた。
その瞳に、どこか恐怖を感じたのは気のせいか?
「麻生くん…球速いの?」
やがて、美空が顔を緩めて尋ねる。
その手には白球一つ…。
「マックスは140キロだけど…?」
「ふーん…2年で140だったら大したもんだね。
将来はプロかな?」
今日会ったばかりの俺にはわからなかった…
なんで回りの奴等が青い顔して離れていったのか…
「俺なんか、マックス124キロだよ」

