もしかしてその子は、
琉架を好きだったってこと…?
そう考えると、またさっきの痛みが心臓を襲う。
なにこれ、はやり病?
「……あ、奏月さん、琉架のとこ行かなくていいの?」
「へ?」
なんでアイツのところ?
…というか、話ぶっとんだけど。
つっこみどころが多すぎる篠沢君は、
平気そうに笑っていた。
「いや、番犬が捨てられるとソイツはどーなっちゃうのかなー?って思って」
「ごめん、全然わかんない」
即答してそういうと、
ははっと声を上げて笑った。
「鈍感。まー、アイツが伝えてないだけか」
「え、ちょっと…」
「いいから。ちょっと追いかけてみて、琉架のこと」
そう言いながら、犬や猫を追い払う感じで、しっし と手を振られる。


