「起きてたのか」 「……はい」 寝起きのせいか、かすれた低い声が頭の上から聴こえた。 この体勢が恥ずかしくて顔を上げずに体をかためた。 総司さんが一瞬だけ、わずかに抱きしめた。 力をこめたのがかすかで、ただ寝返りをうっただけなのかもしれない。 でも…… 敏感になってるあたしの心臓はトクンッと音をたてた。 ――…ドンッ