愛の手


お風呂を出たあと、総司さんと入れ替わりでソファに移動した。


あたしは体育座りをしながら、恥ずかしさと痛みと緊張で、あたしの心臓はいまにもはち切れそうだ。



シャワーの音が部屋中に響く。

総司さんのシルエットがうっすらと見える。



って、あたしも見えてたってこと!?


こういうところに入ったことなんてないし、男の人とつきあった経験のないあたしには、なにもかもが不安でいっぱいだった。


男の人は好きって感情がなくても、デキるんだってきいたことがある。



あたしは総司さんに買われた身。

なにをされても、総司さんに従う、って誓約書にサインをした身だ。


ってことは、いまのこの状況は危険極まりないわけで……!?



(まさか、ね……?)

あたしはわずかな希望の光りを頼りに、総司さんが出てくるのを待ち続けた。