愛の手


歩幅の大きい総司さんについていくのに必死で、あたしは何度もこけそうになった。

うしろから見てると、すごく大きい背中。

いつも大きいな、って思ってる礼央よりもはるかに大きいんじゃないのかな?



――…ダメダメ!!


あたしは頭を横にふった。



この人に気を許してはダメ。





総司さんは……

――…ダイキライな、ヤクザなんだから。




あたしは自分にいいきかせるように、何度も頭の中でくり返した。