愛の手


「学校はどうだ」

「……え?」

どうだ、といわれても……普通、ですよね。


いつもクラスの人と話すことはないし、たまにくる礼央と話したくらいで。

バイトいく時間がなくなったから、学校にいけるようになったのは感謝してるんだけどね。


「かわりないです」

あたしの答えに、総司さんは少しだけ優しい息を吐きながら、そうか、と呟いた。





「あの、総司さん」

あたしは運転中の総司さんの邪魔にならないように、小さな声で話しかけた。



「どうした」

ぶっきらぼうだけど、返事は必ずしてくれる総司さん。

シカトしないでくれることに、少しほっとした。