愛の手


どこいくんですか、なんて質問を出来る雰囲気じゃなく、あたしは黙って窓の外を見ていた。


発車して五分が経過…

すでにここがどこか、わかってません。



ところどころに家があって、たまに田んぼがある。

学校の近くに田んぼってあったっけ?っていう次元の話し。


そもそも学校からここは近いのかどうかすら怪しい。

なんせフェラーリ様だもん。

法定速度大丈夫かな?



まったく見慣れない風景。

あたし、もしかして棄てられるとかないよね。


知らない土地に置いてけぼりとか……あり得る。



でも借金という鎖に縛られて、檻の中に閉じこめられてるより数倍ラク!!

絶対そのほうが自由だよ。


そのはず、なんだけどね。

高校のこともあるしさ。



悩み多き女子高生デス。