愛の手


あたしの世話役を任されてるのか、家にいるときは常に一緒にいる祐輔さん。


祐輔さんのやわらかな笑顔にほっとしちゃうあたしって、結構単純かな。

「今日も学校ですよね。ちゃんと宿題はやりましたか?」

「お母さんみたい……」

「朝食が終わりましたら、用意して玄関で待っていてくださいね」

「……はい」


この檻の中で、唯一あたしが安心する場所。

それが祐輔さんと会話しているときだ。


許せるわけじゃないし、彼らが怖い。




わかっているのか、祐輔さんがあたしに触れようとすることがないおかげで、安心するのかもしれない。