愛の手


「愛理?」


その怖い手で、またあたしを殴る。






「愛理、落ち着け」


その怖い瞳で、あたしを睨む。






「愛理、大丈夫だ」


その怖い体で、あたしを追いかける。






総司さんは、戸惑うあたしの体を、再び引きよせた。