愛の手


音なくふすまが開いた。

「……あっ」

身を隠すことが出来ずに、あたしは体をかたくした。

月を背にして、総司さんの顔は真っ暗でなにも見えない。



総司さんなのに、総司さんじゃないみたい……



すっと腰を屈めると、あたしに近よってきた。


フラッシュバックしたように、恐怖が一気に体を駆け巡る。




怖い。



怖い。





「…ぃ、……やぁ…っ!!」