愛の手


総司さんは、ふすま越しでもわかるくらい大きなため息をついた。

会話のない二人に、重い空気が流れた。

あたしを引きとったことで、内部分裂?


……だったら、借金の返済延ばしてくれたってイイのに。


あたしは疲れきってるのかもしれない。

現実が、夢のように感じてしまう。


これは夢で、覚めるときがくるんじゃないのか、って。

だから二人のことを、客観的に見てしまう。




――…ゴンッ!!!!!!


「――っ!!?」

大きな音に、体を大きく揺らした。

なんの音……っ!!?