愛の手


ぼそぼそと、声が聴こえてくる。

声はふすまの向こうから低い声が二つ、重なって聴こえてきた。

なんだろう。

あたしは音をたてずに、ふすままで近よった。



『――…から、そういったんです』

聴き慣れない声。

でもこの声は一度聴いたことある。

あたしにお粥を運んできてくれた、ちょっと強面の男だ。




『誰に向かって口答えしてる』

強いドスのきいた声は、総司さん。

あたしを抱きしめた総司さんとは思えないほど、恐怖を身にまとっていた。


なんだかただならぬ雰囲気に、あたしは肩を震わせた。


『しかし…っ!! あんな身元の女、なぜ引きとるんですか!!』


……あたし?