愛の手


――…


あたしはいつのまにか眠ってたらしい。

いくら怖いヤクザ屋敷にいるとはいえ、走り疲れがまだたまってるみたい。


そりゃそうだよね……




八千万円っていう大きな借金と、いままで経験したことのなかった恐怖。

追い討ちのように両親の他界と、家の全焼。




重いマブタをゆっくり開けると、真っ暗な天井が目にうつった。

見慣れない天井に、現実を思い知らされる。


あたりを見渡すと、そこには両親の仏壇があった。


(そっか、あのまま寝ちゃったんだ…)

両親がそばにいてくれたからかな。

あたしはいつもとおなじくらい、ゆっくり眠れた気がした。




でも――…