愛の手


眠気の覚めたあたしは、アレから眠ることなく仏壇の前でずっと両親を見ていた。

この笑顔を見てると、ほっとするから。


一人になると泣きそうだったのに、若はあたしのそばにずっといてくれた。





「あの…、若……?」

ここに来て、あたしは初めて若に話しかけたと思う。

壁ぎわによりかかっていた若は、小さくため息をついた。


「若じゃない、総司(そうじ)だ」

「総司……さん?」

「あぁ」

「でも祐輔さんが若って」

「お前は舎弟じゃねぇ。名前でイイ」


舎弟って言葉に、やはりヤクザなんだ、という実感が湧く。






――…借金を催促する、敵。