愛の手


結局あたしは、若に抱きしめられながらヤクザ屋敷へと連れ戻された。

人生初めてのお姫様抱っこを経験したことに気づいたのは、数日経ってからだったんだけど。




身よりを失くしたあたしにとって、唯一頼れる場所となってしまった。

それがすごくイヤな気分。




「どうした、入れ」

あたしは一室に案内された。

さっき寝てた場所ではなく、屋敷の真ん中らへんに位置する部屋。


説明なく連れてこられても、あたしにはどうしたらイイのかわからなかった。

いい加減イラつき始めた若に、あたしはビクビクしながらふすまを開いた。


スッと音なく開くふすま。







「これ……っ!?」