愛の手


「……ナニ、コレ……」


目の前の光景に驚愕した。


あたしと両親の思い出がつまった、大切な居場所。

普通のアパートだけど、あたしはそれが気に入ってた。


真っ白で、飾らなくても落ち着いた雰囲気のあったアパート。



なのに――…

目の前にあるはずのアパートは、跡形もなく消えていた。

なにもナイ、焼け野原。


アパートのあった土地のまわりは紐でかこわれていた。




10月7日 AM3:30頃
放火事件が発生しました。
何か情報がありましたら、下記までご連絡下さい。
○○警察署




放火……?


あたしはなにも遺ってない土に、力なくヒザをついた。