愛の手


放課後になると、あたしはそそくさと荷物を片づけ始めた。


「今日もお迎え?」

「うん、心配性みたいだから」


実際心配性だし、危ない人たちだから送迎は必須っていわれてるしね。

ちゃんとわかってるからこそ、あたしは総司さんの望む通りにしたかったり。


本当はヤクザっていうのはイヤだ。

殴ったり、人を罵倒したり。

あたしにしてきたコトとおなじじゃん!!っていいたくなるもん。


矢崎組と浅葱組、はたから見たら、どう違うの?って。


……違わないんだよね、世間一般から見たら。


もしあたしのお父さんが矢崎組じゃなくて、浅葱組にお金を借りてたら?


きっと、……総司さんをスキにはなれなかった。



だからこれは運命なんだ。



あたしが総司さんに出逢うために産まれた、運命のように――…